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道具づくりからのモノづくり

8月も中旬に差し掛かりました。
まだ半月しか立っていないのに、この月は中身が濃いため長く感じます。

昨日から、憧れだった【パンと日用品の店わざわざ】さんのオンラインショップに、
私たち育陶園の商品が掲載され、
その事に喜びと驚きが隠せず、なんだか気持ちがワサワサしてしまいます。

と、浮き足立ってはいられないと工房に足を運ぶと、
みんなは変わらず暑い中で仕事をしており、
その風景を見て、すっと心が落ち着きました。

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今日はちょうど道具作りを行っている最中でした。

基本的に私たちの道具は、一つ一つ手づくりです。
シケゴテに、カンナ、ナイフなども、切っったりカットしたり
グラインダーを使ったりで、自分の手になじむ形に仕上げていきます。

今日の道具は【彫刻刀】でした。

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左からゼンマイを付ける前の棒、付けたあとの彫刻刀もそれぞれ刃の曲がり角度が違います。
細い線を彫る用。細かい掻落しをする用。大きく掻落しをする用。それぞれの用途によって仕様が少しずつ異なています。

育陶園の特徴とも"唐草線彫"は、この道具で描かれます。

大事なのはその"刃"です。
材料はメジャーの中にある"ぜんまい(バネ)"を取り出して使います。
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くるくる回っているそのゼンマイを伸ばし、平にし、

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ある程度の大きさにカット。

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そして軽く曲げて、さらに火であぶってより角度をつけて曲げ、

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彫りによってその角度やエッジを変えていきます。
それを筆先の取れた筆の棒に付けてテープまく。

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これで完成です。

ちなみに一番育陶園の中で彫りを担当することの多い康雄さんは、
月に2回はこの作業を行うそうです。
また、彫る時には必ずヤスリで削って彫りやすくしているそうです。

「技術力の高い人ほど、道具を丁寧に手入れしているよ」
そう工房長の良(ヨシ)ちゃんが教えてくれました。
いい仕事は、良い土、良い道具から始まるんだなと。納得でした。
きっとこんなすごい先輩達の背中をみて、下の世代は育っていくんだな~と思いました。


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そして道具はやっぱり自分で作るのが一番!
それがあの大胆でいて繊細な彫りを支えています。

最近はなんでも手に入る時代になり、手作りで作るものがどんどん少なくなったように思います。
でもなるべくは、自分たちの手でできることは、作っていきたいと思います。
それが本来のあり方だから。
これがないとできないのではなく、これをやるためにどうしたらよいのかな?
と考えて、その仕組みや道具をつくって進む。
その少しずつの積み重ねがあって、「ココにしかないもの」「ここでしかできないもの」が生まれていくんだと思います。

今日もコツコツ小さな作業の積み重ねから、一つ一つの器やシーサーを生み出します*


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(2017年8月18日)



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