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初火入れー壺屋にできた新しい窯場2018ー

いよいよ今日は、やちむん道場の上にできた新しい窯の、初火入れでした。
窯場の建物建築工事は去年の11月からはじまりましたが、最終の許可が下りたのは5月末と20坪くらいの広さの割にはだいぶ時間がかかりました。
重機が入りにくい場所にあったこと、また窯を入れるという事で、消防の検査、さらに壺屋という土地柄、景観条例に満たした建物でないと建築許可が下りない、その他もろもろとあり、【壺屋に窯を入れる】ということが、どんなに大変なことなのか、思い知りました。


1970年代、那覇市から登り窯使用の全面禁止をうけ、壺屋に残った窯元は、灯油やガスに切り替えることで、この地で作ることを選びました。
先祖代々、300年以上続いてきたこの地を離れたくない。ただ単にシンプルなこの想いから、手段を切り替えてでも、土地に残るという選択をしてきました。

そしてその想いは、今を生きる新しい私たち世代にも受け継がれています。
私の中では、「沖縄の景色をつくりつづけたい」その想いが強いのかもしれません。
歴史を知れば知るほど、この壺屋という場所が好きになり、この場所で焼き物を作り続けていることに、より一層誇りを持てるようになりました。
戦争で那覇の町が9割焼失したという中で、爆撃を免れたことから、今も戦前の面影を残すとても貴重な場所でもあり、1682年より、首里王府が各地の窯場を統合したことからはじまり、今年で336年も歴史を紡いできたという伝統もあります。
こうやって歴史を語れ、その中で当時と同じ場所で同じ仕事をしているという事も、とてもすごい事なんだと思います。

そんな思いがあるから、どうにかして壺屋で窯を絶やさず焼いていきたい。
だから色々と不利なことがあっても、できる手段がある限りはやり続けたいと思います。

今日はそんな思いを背景に、
新しい窯場での初火入れでした。
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窯の神様に拝むため、お酒と塩を用意します。

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「よい焼き物が生まれてきますように」
みんなと一緒にその想いを願いました。

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今回の初窯は、シーサーを中心とした「酸化焼成」です。
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無駄なスペースが無いよう、しっかりと詰めていきます。

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ガスを両方のバーナーに点火して、
今日は1日ゆっくりあぶりをします。
明日本焼きで、明後日は1日冷まして、明々後日の土曜日に窯を開けます。

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びっくりするくらい奥行きがなく、幅広いコンパクトな窯。
色々効率を考えた結果、このサイズ、この容量になりました。
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今月からどんどんこの新しい窯場で、シーサーや体験の作品を焼いていきます。
小さいからこそあまり数をためなくても作品を入れることができ、
これまでよりも回転が良くなることで、納期を早くすることも期待できます。


新しい窯場で、新しい一歩が踏み出されました。
もちろん試焼きはしていますが、
しっかり商品を詰めての本焼きは今日が初めて。
どんな焼き上がりになるか、楽しみと緊張が入り混じります。
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どうか、良い作品が生まれてきますように。
くせのない素直で使いやすい窯でありますよに。

(若菜)

(2018年7月 7日)



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