お便り

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2019.8.17 沖縄の景色

【高江洲家の初盆2019】

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「あら、お盆中にまかないがあるわね~!初盆でお客さんが多いはずだから早い時間に作って、早めに食べてもらいましょう。重箱は作りましょうね。えっと、孫ちゃんたちを預かるのはいつだったかしら」
お盆の始まる数日前、啓子さんとお盆ミーティング。
ウンケー(お迎え)から始まって、ナカヌヒ‐(中日)、ウークイ(お送り)と三日間の予定はいつも通りいっぱいでした。


今年は、忠さんのお母さん・サヨさんが亡くなって初めてのお盆。
沖縄の初盆は、身内だけでしめやかに行うのが一般的だそうです。ですので、今年のウークイは、親戚で集まるのは夜の7時から8時までの一時間と短縮、そしてお菓子とお茶のみとなりました。高江洲家で初の試みのようです。例年のお盆は夜まで仏前でにぎやかにすごしてから、遅い時間に御先祖を見送りするウークイの儀式を行っていました。

 最近では初盆でなくても、夕方やそれ前に簡単に儀式を行う家も多くなっているようです。
 とはいえ、控えめなお盆でも仏壇へのお供えと家族が食べる重箱だけはと、ウークイ前夜に下準備。コンブを水でもどして結んだり、こんにゃくをねじったり、豚肉の塊をコトコト2時間ほど炊きました。清明祭とお盆の年に2回ある重箱準備、材料や分量をやっと覚えられてきたようなきがします。。コンブは沖縄は全国一の消費量だそうですが、いろんな種類のあるコンブのなかでも啓子さんの使うコンブはいつも根コンブで、柔らかいからだそうです。ちなみに、初盆の時はお重の中の色を控えめにするために、赤色のカマボコは入れずに、白色のみにするそうです。といっても"啓子さんお手製お重"に赤色に着色されたそれが入っているのを見たことはないです‥
下準備が終わる頃には、すっかり日付が変わってウークイ当日となっていました。
 お盆期間中、わたしはいつも通りの仕事だったので帰ってみると美味しそうに味付けされて詰められた重箱が仏前に備えられていました。味付けのタイミングや調味料はその都度、適当だそうなので何回もやっているうちに覚えられるといいな...

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テーブルには、まんじゅう、どら焼き、せんべいに餅。子供が大好きなスナック菓子やジュースもありました。7時からぞくぞくと、読谷など各地から親戚が集まり、しばらくのユンタクタイム。若菜さんの赤ちゃんも、初参加!
8時から、お見送りの儀式がはじまりました。 仏壇にお供えしていたものをお鍋に入れて、ウチカビ(あの世のお金)と一緒に、煙をもくもくさせながら燃やしました。

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お菓子パーティのようなお盆。なんだかんだ、にぎやかにユンタクして、ぱっと解散。こんなウークイもたまにはいいのかもしれません。とくに子供たちは沢山のお菓子にうれしそう(夕飯前でしたが...)。みんなが帰った後、静まった仏壇の前に転がる子供たち。山積みの箱の中には何が入っているのだろう!!と期待しながら、充電が切れたように眠ってしまいました。
ウークイのあと、みんなで夕飯を食べました。お茶とお菓子の後だったけど美味しいお重をいっぱいたべて、ほっとお盆が終わった感じがしました。
 期間中、お客さんと話しながら、赤ちゃんにミルクを飲ませたり、まかないのカレーを作ったり、育陶園店舗のお花を生けたり、やちむん通りを駆け抜け、いろんな事を重ねながらパッパとこなす啓子さんのすごさを感じながら、いろいろ教えていただきました。

来年は、どんなお盆を迎えるのかな。(朋美)
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