お便り

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2021.5. 8 育陶園のこと

新たな挑戦

昨年11月頃より取り組んできた、型を使ったオブジェ開発。

その開発の背景には、注文が激減してしまったシーサーの代わりに、
新たな型を使った新商品を!という想いがありました。

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これまで観光需要に支えられてきたシーサー。
特に小さい子達が特に人気で、その小さいシーサーを中心に、
月に400対~多い時で500対ほど出ていたのですが、このような状況になってしまい、
本当に9割近く注文がなくなってしまいました。
これまでシーサーは、比率として圧倒的に「お土産」としての需要が高く、
それを危惧して近年はお土産ではない、置物・インテリアとしてのシーサー開発にも取り組んできましたが、
まだまだ現状は変えきれずというのが現状です。

そこで思い切って、シーサーではなく「型」という技法を応用した、新たなオブジェの開発をしてみてはどうか?
という事で、これまでもお世話になってきた、デザイナーの金城博之さん(株式会社レネミア)に協力を仰ぎ、
奥様でイラストレーター美玲さんのデザインを元に、新しいオブジェの開発をスタートすることになりました。

事業は2月で無事に終了。やはり普段からコミュニケーションがとれる間柄ということもあり、
なんと実質3ヶ月という短期間で5つのオブジェの形を仕上げることができたのです。


普通ならあり得ない短期間ですが、
美玲さんが本当に素敵なデッサンを、惜しみなくたくさん提供してくださったことと、
育陶園でいま急成長のデザイナー兼造形職人のあさえちゃん(メインは絵付や線彫担当の職人)が、
平面から完成度の高い立体の造形物へと仕上げてくれたおかげで、やりきることができたのです。
しかし色だけはどうしてもまだ安定せず、引き続き販売に向けて調整中なのですが、
目標の夏の展示販売会に向けて、今もまさに挑戦中です。

コロナでシーサー需要が激減、その状況は今も変わらず、この方向の見通しは暗いままですが、
すぐに新しい方向へ舵を切ったことで、まだ見ぬ不安はあるものの、
新しい未来という希望に、小さな光を感じています。

これからもシーサーはシーサーで、
香炉獅子など、新しい形などに挑戦していきますが、
今年の育陶園は、全力でこの新たな
「型」を使った新たな分野にも挑戦していきたいです。
シーサー需要が戻った時にも、
きっとこのチャレンジが、プラスになると思っています。


でも今はすぐにそれが実現できないので、
シーサー職人達には、二刀流が可能な人にはロクロ成形へ、
型でのお皿作りや、器の絵付けの挑戦、
いつもはやらない土通しなどをおこなってもらうことになっています。

けれどもみんな嫌な顔一つせず、「出来ることはなんでもやります!」という、
心強い言葉をくれて、今回の新しい取り組みも、誰ひとり否定することなく、
むしろ「楽しみですね!」と言ってくれ、
その期待に応えねばと、強く想いをあらたにしている今日この頃なのでした。

不安もいっぱいですが、その不安をかき消すくらい、期待もいいっぱいです。
という事で、来週からももっとがんばります!

代表:高江洲若菜

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