育陶園のものづくり
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私たちのものづくり

mono-zukuri policy

素材

沖縄の土 手作りの釉薬

※1 今後の土の発掘状況によってやむを得ず、他の土地の土を使うこともあります。
※2 県内のお米の籾殻と、石灰を混ぜ灰にし、そこへ砕いた具志頭(長石)を入れ水で攪拌したもの。
これらを使用することで、より壺屋焼らしさ、育陶園らしさを表現することができます。

作り方

主にロクロによる手引きの器づくり

自分たちで作った"型"を用い押し型によるシーサーづくり

ガス窯

※3 壺屋では1970年代以降、登窯は炎害とされ使用中止となり、現在はガス窯・灯油窯(一部電気窯)での焼成となっている。現在では新規に窯を導入す場合はガス窯のみ。

体制

「個」ではなく「チーム」として 県内最大の工房です

※4 一人の技術として終わらせるのではなく、次の世代へ継承する為にこの仕組みに。
またこれにより、ある程度の量産も可能な為、100単位の記念品・飲食等も対応可能です。
30年以上の技術力の高い職人もいる為、大物のオブジェや、手洗い鉢、100cmのシーサーの製作も可能です。
会社組織となっており、受注発注のスケジュール管理・やりとり等も、担当のスタッフをつけ、スムーズな対応を目指しています。

目標

量より質を。価値を高め、限りある資源で作られる壺屋焼を、作り手も売り手も使い手も、双方納得のいく「形と価格」を目指して。

人の手で作られている為、原価のほとんどは"人件費"です。
この仕事を続けてもらうためにも、職人たちの雇用環境を少しでも良くしたいと思っています。けれど"日常の器"である以上、少しでも買いやすい価格に抑えたい気持ちもあります。いつもその狭間で悩みます。
なので、"買いやすい商品""ちょっと特別な商品""すごく特別な商品(作品)"と段階を分け作りたいと思っています。一つ一つ取り組む姿勢と気持ちは同じですが、時間をかけて良い商品には、よりこだわりと、高い技術力を活かして"特別な逸品"を作ります。

壺屋焼の歴史と
その技術について

シーサーと器をつくる
工程をご説明します

守ること

brand promise

1

沖縄の素材(土や釉薬)にこだわり、沖縄の気候風土と、「壺屋という環境」の中で「職人の手」によって生み出します。

2

先人たちから受け継いだ技法を用いて一つ一つに心(気)をこめて作り上げることで、沖縄でしか作れない、育陶園だから生み出す事のできる「壺屋焼」を目指します。

3

安定した生産体制を作るために、技術と情報を共有し、生産販売が一体となった、チームでのモノづくりを行います。

4

品質向上を図るため、一人一人の仕事への意識を高め、清潔で整理整頓された環境の中で、壺屋焼を伝え、生み出していきます。

5

常に使う人の事を考えた、暮らしに寄り添ったモノづくりを行う為に、技術の改善・新しい形の開発の挑戦を怠りません。

6

スタッフがそれぞれ、誇りと自信を持って、生涯を通してやりがいのある仕事となるよう、経済的にも精神的にも心豊かな環境をつくります。

7

私たちの感性を育む壺屋という地域の環境を大切にする為に、通り会や町民会の地域活動に積極的に参加し、地域の活性化を目指します。
壺屋の景観保全の為に自社の展開する関連施設は、緑化・石垣・古民家をうまく活用した施設の運営を行います。先祖から受継いできた壺屋という土地に根ざし、歴史と文化、人と人との繋がりを大切に、日々を営みます。

育陶園の仕事
やちむんができるまで

technique process

始まりは掃除とミーティングから

育陶園の仕事の始まり、それは掃除と確認です。
作業工程や今日行うべきこと、窯出し後の商品の課題と対策、すべての連絡事項を朝の時間に共有します。週1回は、マネジメント部と製造管理のミーティングを行い、会社全体で生産ラインの状況問題、課題を話して日々改善に努めます。

釉薬づくり
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沖縄で作られる米の籾殻と石灰を混ぜて燃やし灰にして、大きなミルで撹拌し釉薬をつくります。1年半に1回、1~2ヶ月かけて行います。その年の米の籾殻の状態、燃やした際の状況により毎回仕上がりが異なります。自然のもの、自然の中でつくるものにいつも同じはありません。理想の釉薬の表情を目指して日々窯から出た仕上がりを確認し、調合を変えながら育陶園だけの釉薬をつくります。

土づくり
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沖縄で採れる大切で限りある資源の土を使っています。主に北部(うるま市、恩納村など)の層から数種類を混合します。大切な土だから、決して無駄にしません。削りなど出て土は、すべて再生します。大体1週間に1度、土が溜まってきた頃に、数名の職人で再生作業を行っています。

形づくり

ここからは、シーサーと器づくりによって変わります。

<シーサーができるまで>

(1)型抜き
育陶園オリジナルの型に手押しで土を入れます。顔や筋肉の凹凸を考慮し土の厚みを均一にするのが非常に難しい作業で、土が厚すぎても薄すぎても、時間をかけすぎてもヒビが入るため、集中して土をはめます。

(2)組立
型を抜いた後のパーツを組み立て、ベースをつくります。ここで筋肉の付け方や全体の引き締めを行います。自然体でいて力強さを感じる体を職人たちは頭の中でイメージしながら表情を仕上げていきます。

(3)仕上げ
獅子の印象を決める表情と毛並を、手作りの道具「サバチ」を使い仕上げます。魔除けでありながら、生活の近くに存在する獅子は、力強さと優しさを兼ね備えています。凜とした中にどこか親しみやすい存在であるように。そんな想いで、表情、毛並み、足の爪を一つ一つ表現しています。

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(4)絵付け
絵付けには筆塗りと、吹付けの二通りあります。
伝統的な青や緑の毛の表現は筆による絵付け。釉薬の表現をより引き立てる為の吹付け。これまで仕上げた獅子の顔や毛、筋肉の表情を、より引き立てるような色が出るよう、最後の重要な仕上げの工程です。

<器ができるまで>

(1)ロクロ成形
形のベースをつくる第一段階です。中心がぶれないようになるまでに1年、形がつくれるようになるまで1年、同じ形を時間内に決められた数作れるようになるまでに1年、ここまでに最低3年はかかると言われています。

(2)削り
ろくろ成形で作った形を、仕上げたいラインに削り出しをします。沖縄の土は薄作りに向かないため、成形段階では厚めに、そしてここで薄く、そしてイメージのラインに仕上げていきます。ここで器のラインが決まる大切な工程です。ここまでできるまで更に1~2年といわれています。

(3)化粧掛けと透明釉掛け
生ものと同じで、タイミングが重要です。その日の湿度や乾燥によって、乾かす場所を変え、土のベストな状態の時に掛けていきます。一気に。ムラなく。垂れなくを意識して手首のスナップを効かせます。

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(4)柄を施す
線彫:焼成前、化粧や釉薬が丁度良い乾燥状態になったら、下絵無しで迷いなく描いていきます。特に"唐草線彫"は10年以上のベテラン職人のみ仕上げることが出来る非常に難しいラインです。線彫を得意とする育陶園では、早く、美しく、伸びやかな線を先輩職人のサポートをしながら実践で、体で覚えていきます。

イッチン:焼成前、化粧土を少し固くしてスポイトに入れて菓子のデコレーションの様に描いていきます。薄すぎると存在感がなくなり、盛りすぎるとひび割れるので、丁度良い厚みを意識しながら絵柄を下絵なしで描きます。新聞紙や板の上で練習し、実践はミニ壺などの小さな小物に何千個と描き、体で覚えます。

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絵付け:器を素焼した後、下絵なしで描きます。手作りの伸びの少ない釉薬を使用するため、表現方法に限りがありますが、その中でも伸びやかに、勢いのある筆使いを意識しながら、一つ一つ描きます。

窯の火入れ
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壺屋では1970年代に登り窯の使用が禁止されたため、主にガス窯、灯油窯(現在新しく設置は不可)で焼成を行います。登り窯に比べると安定するようになったとはいえ、窯の個性や癖を見極めながら、その日の風の状態や器や獅子の大きさ、数、詰め方、釉薬の種類、土の種類によって火の調節を変えていきます。釉薬や土の成分が変わった時も焼き方を想定し火を調整します。ここまで終えて出来ること、それは窯の神様に「どうか無事にきれいな子たちが生まれてきますように」と祈るだけです。

窯からお店へ並ぶまで

大抵の商品は火入れをして約2日後に窯出しします。 それから検品、底すりを行い、私たちの店、そしてお取引先さまの元へと旅立って行きます。沖縄の豊かな自然と気候の中、沖縄の土、壺屋の職人の手仕事が織り成すことで陶器に宿る、一つ一つの表情をお楽しみ下さい。

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