お便り
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2019.9. 1 沖縄の景色
子ども 「ねぇねぇ、これなぁに、何に使うの?」
康雄さん「これはねぇ、簡単には教えられないよう~。なんだと思う?」
子ども 「コップ?お水をいっぱい入れて飲む!」
康雄さん「誰のコップだと思う?」
子ども 「ゾウさん?」
康雄さん「いいねぇ」
毎日のように朝と夕方、子ども達は工房を通ります。工房を通り抜けながら、ロクロ作業を眺めたり、クロやゴンと遊んだり、面白ことや美味しいものを見つけてきます。最近は、家に戻る前のお休み処となっています。
ある日、いつもより大きな土の塊に遭遇した彼ら。制作中の職人・康雄さんとのなぞなぞ大会が始まりました。
子ども 「わかった!巨人のコップだ!」
康雄さん「いいねぇ。」
子ども 「あっ!花をいれる!」
康雄さん「いいねぇ。いっぱい花を生けられるねぇ。」
バケツかな、置物かな、いろんなイメージが出てきて、あれやこれやとしているうちも康雄さんの手は止まらず。
棒状にした土をどんどん積み重ねて、何かのカタチにしていきます。太い土をグイグイ重ねていく作業は、力強くて見ごたえがあり、いつもは座って作業しているのに、立たないと中が見えない大きさでワクワクします。
子ども「あッ!あれなぁに~?」
目をキラキラさせて、康雄さんと反対側を見上げました。指差す先には、山積みされた発砲スチロールの箱があり、そのてっぺんには、お菓子の袋。
子ども 「誰の~?」
子ども 「食べていい?」
彼らの"夢中な問"は、てっぺんにあるおいしそうな何かへ。もう、あの大きな"やちむん"が、コップなのか何なのか、答えを考えることも当てることもなく、モグモグおやつを頬張っていました。
この後、釉薬をかけ、乾燥させて、ちょうど良いタイミングで唐草が彫られていくそうですよ。きっと、子どもたちは、その工程を見たとき、思い出して再び、康雄さんへ問いかけるはずです。
ぐんぐん積みあがっていく土、いったい何になるのでしょうね。たかさが50㎝もある大きな器、みなさん、なにかわかりますか?育陶園のお店にやってくる時は、どんな風にお披露目するのだろう。
また、この器が窯からでてきたとき、ご報告できたらと思います。(朋美)